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日誌

遠足、企画中。

 

学びの森では、毎年5~6月に遠足に行きます。

 

 

・キャンプ施設にて

 

・調理を行い

 

・運動したり遊んだりする

 

 

の3本柱は例年変わらないのですが、今年はその内容、「何を作るか」「何をして遊ぶか」をみんなで企画することになりました。

 

 

 

 

小学生から高校生までの生徒が集まり、2グループに分かれて話し合いを行います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集団で何かを成し遂げようと思うと、「合意」を形成することと、それまでのプロセスが重要になってきます。

 

 

 

 

この日2つのグループから出た調理のメニュー案は、

 

・BBQと焼きそば

 

・焼うどんと豚汁

 

でした。

 

 

何を作りたいか、そのためにどんな材料が必要になるかまでを各グループで話し合い、その後発表。それをもとに、何を削り何を作るかを皆で話し合って決める、というプロセスをたどりました。

 

 

 

 

BBQ・焼きそばチームが提案した材料は…

 

肉、ウインナー、キャベツ、ピーマン、アスパラ、かぼちゃ、さつまいも、イカ、アユ、エビ、ホタテ、人参、しいたけ、エリンギ、とうもろこし、玉ねぎ、ナス、プチトマト、焼きおにぎり、焼き肉のたれ、マシュマロ、ホットケーキ、バター、マーガリン、メープルシロップ、チョコレートソース、麺、豚肉、塩コショウ、ソース

 

 

焼うどん・豚汁チームが提案した材料は…

 

豚肉、うどん、玉ねぎ、塩コショウ、キャベツ、しいたけ、人参、醤油、味噌、ネギ、だしの素、大根、こんにゃく

 

 

 

 

 

 

 

 

ここから、それぞれの案をどう折衷し実現していくかの話し合いが始まりました。

 

 

 

 

その話し合いの前提として生徒たちに伝えた情報は、

 

 

・遠足当日は雨が降る可能性が高く、その場合コンロ等を使った屋外での調理は難しくなり、メインキャビンでホットプレートを使って調理することになること。

 

・キャビンのブレーカーの都合によりホットプレートは最大2台までしか同時に使えないこと。

 

・予算にそんなに余裕があるわけではないこと。

 

 

上記2点を踏まえて実現可能なラインを探る話し合いを行なっていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

まず最初に決まったことは、焼きそばと焼うどんという「麺」の共通点から、メニューの2本柱はBBQと焼うどんにしよう、ということ。

 

 

その後話し合ったことは、BBQで焼く材料の選定でした。

 

 

 

 

「ホタテとかアユって、高ない!?」

「アスパラも高いで。いる!?」

「かぼちゃとさつまいもはイモ系やしどっちかでよくない?」

「しいたけとエリンギもキノコ系で一緒やしどっちかにしよか」

「ピーマンは嫌いやしいらん」

「ホットケーキしようと思ったら、卵も牛乳もいるし結構大変かな」

「お肉食べられへん人には魚介があった方がいいよな?」

「これだけでお腹いっぱいになるかなぁ」

 

 

 

 

スタッフからの意見も出しつつ、話し合いを進めていきます。

 

 

 

 

興味深かったのは、「お肉が苦手」と語る生徒たちがどうすればBBQで楽しく食事ができるか、という話題にさしかかった時のこと。

 

 

その人たちも満腹感を感じたり食事に楽しみを見出したりするためには、ホットケーキというオプションがあった方がいいのでは?という意見が出ました。

 

 

ですがホットケーキを実現しようとすると、買わなければならない材料が増えたり、BBQや焼うどんの後の鉄板(orホットプレート)を洗って焼く準備をしなければならなかったりと、ネックになる要素があるのも事実。

 

 

これをどう結論づけよう、と皆で探っていた時に、お肉が苦手な当事者の生徒がこんな意見を出してくれました。

 

 

「私はお肉苦手やから、正直ホットケーキがあった方が嬉しい。でも材料も余計に買わなあかんし、鉄板の問題で時間もかかりそうやし、今回はホットケーキはなくてもいいかなと思ってきた。お肉が苦手な人は魚買うっていうアイディアはありやと思う」

 

 

 

 

この生徒は、なるべくホットケーキがあった方がいいと主張していた生徒でした。

 

 

彼女がこういった妥協案を提示してくれたことで、ホットケーキは無し、そのかわりにスイーツとしてマシュマロを焼こうか、という結論に至りました。

 

 

そんなやりとりを経て、メニューと買い物リストは最終的にこうなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

だいぶしぼれました。

 

 

 

 

「自分が嬉しいこと=自分の利益」と「他人が嬉しいこと=他者の利益」が必ずしも一致するとは、そしてそれが「自身が所属する社会での制約」の中で実現可能とは限りません。

 

 

その中で、どう工夫して合意を形成していくか。どうやって、自分も他者も楽しい状況を一定の制約の中でつくり出すか。

 

 

 

 

大人になってもまだまだ難しいそんなプロセスを、生徒たちに見せてもらったように思います。

 

 

 

 

こんな風に、生徒たちが話し合い、合意のうえ決まった今回の遠足のメニュー。

 

 

決行は来週です。

 

 

 

 

 

 

 

 

雨が降りませんように!