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日誌

「どろじゅん」「どろけい」「けいどろ」~楽しいと思う力~

 

こんにちは、学びの森のタナカです。

 

 

突然ですがみなさん、この記事のタイトルにある単語の羅列が何を表しているかはお分かりになりますでしょうか。

 

 

 

 

チッチッチッチッチッ…⏱(シンキングタイム)

 

 

 

 

はい、その通り。

 

 

警察(巡査)役の人たちが泥棒役の人たちを追いかける、変わり種鬼ごっこのようなものですよね。

 

捕まった泥棒たちは牢屋(という名のただのスペース)に入れられ、まだ捕まっていない泥棒にタッチされると解放される、という。

 

地域や世代によってその呼び名は様々のようですが、私は「けいどろ」と呼んでいたのでこの記事の中ではそう呼びたいと思います。

 

 

子どもの頃、純粋な鬼ごっこは大嫌いだったタナカですが、「けいどろ」はまだ楽しめる遊びでした。

 

なぜなら、鬼が一人の交代制ではなく複数人いるから。そして捕まっても鬼にならずに済み、牢屋で休憩できるから。(お察しのとおり、走るのが大嫌いな子どもでした)

 

 

 

 

先日の学びの森の外遊びでは、そんな「けいどろ」をして遊びました。

 

 

参加者の年齢層や出身地域もバラバラなため、その呼び名やルール、役割の決め方など様々でしたが、どうにかスタート。

 

 

 

 

木下先生発案のやり方で警察と泥棒を決定

 

 

 

「みんなこんなに走れんの!!!?」と驚くようなスピードで公園に散っていく泥棒と警察のみんな。

 

その日は小雨が降っていたのですが、それをものともせず本気で逃げ、本気で追いかけるみんなの様子に圧倒される牢番タナカ。みんな元気に遊ぶな~と感心していると、ある生徒が「こけた~」と言って牢屋に向かってきました。

 

 

生徒を見てみると、上半身も下半身も泥だらけ。小雨のせいでグラウンドの土がぬかるんでいたのです。

 

上下ともに泥で汚れ、冷たくなってしまった衣服。しかも今日一日それを着て残りの学習に取り組み、家まで帰らなければならない。私ならこの時点で「もう最悪…」と気分が落ち込み、それをその日ずっと引きずってしまいそうですが、この生徒は案外平気そうな表情。学びの森に帰ってきて水で泥を落とし、服が冷たく濡れてもまだ平気そうな顔。

 

極め付きは、その日の振り返りに書いていた「外遊び楽しかった」の一言。

 

 

 

この一言を見た時、「すご!!!」と思いました。

 

最後に散々な(と言ってもおかしくないような)出来事が起こったのに、その日一日をまとめる言葉が「楽しかった」だったことに、軽い感動を覚えた私。

 

 

物事を「楽しい」とか「幸せ」と思うことは、物事そのものが内包する客観的な「楽しさ」や「幸せ」が存在するわけではなく、すべて人間の意思にかかっていると思うのです。

 

同じ出来事を経験していても、同じ状況にいても、それをどう思うかは人によって、あるいは同じ人であってもその時々によって全く違うもの。

 

雨の中自転車を漕いでいる時にこけるという同じ状況を経験しても、「私も荷物も濡れたし最悪」と思うか、「今日はチャックの付いた鞄にしてたから中身が濡れなくてラッキー!」と思うかは、その人のその時の状況や意思によって変わりますよね。

 

 

ここに来たばかりの頃であればその生徒もこの出来事をしばらく引きずっていたのではないかと思うのですが、今の彼は外遊びを「楽しい」と思え、人によっては「最悪」と思うような出来事に引っ張られず、その「楽しい」と思う気持ちを持ち続けた。

 

ということは、その生徒にはこんな出来事があっても「楽しい」と思える力があるということ。

 

 

 

そんな生徒の力強さに変化を感じ、そう思える力にちょっと羨ましくなった外遊びの時間でした。